M&Aが牽引する市場の活性化
ウズベキスタンのタシュケント証券取引所(TSE) で、過去1週間の取引高が1.86兆スーム(約1億4500万ドル) に達し、市場が大幅な活性化を見せています。この急増の主要因は、企業の合併・買収(M&A)取引が相次いだことです。特に、Biznesni Rivojlantirish Banki(BRBN) の取引高が1.6兆スームと突出し、M&Aが市場全体の流動性を押し上げる役割を果たしました。
国際資本の流入と市場の転換点
ウズベキスタンでは、経済改革や市場開放政策を背景に、国際資本の本格的な流入が始まっています。例えば、中国企業が鉱山開発に5000万ドルを投資する計画を発表するなど、外国企業の参入が相次いでいます。また、国際金融公社(IFC)が2500億スーム(約2000万ドル) の国債をロンドン証券取引所に上場するなど、国際的な資金調達の動きも拡大しています。こうした動きは、ウズベキスタン市場が「臨界点」を超えつつあることを示唆しています。
M&Aがもたらす事業参入のメリット
現地企業の買収(M&A)による参入には、以下の利点があります:
- スピード感のある参入: 既存の販路・ライセンス・人材を即時に獲得可能。
- リスク軽減: ゼロからの事業立ち上げに比べ、不確実性を低減。
- 成長セクターへのアクセス: 金融・消費財・ITなど、国際資本が集中する分野に迅速に参入可能。
市場の課題と将来性
一方で、ウズベキスタンの証券市場は発展途上にあります。例えば:
- 外国投資家の参入障礙: 国際的な決済機関(Euroclear/Clearstream)との接続が未整備。
- 個人投資家への依存: 取引の88.6% が個人投資家によるもので、機関投資家の参加が限られる。
しかし、2025年上半期には取引高が前年比17倍に急拡大するなど、急速な成長を続けており、政府が市場インフラの整備を進めていることから、中長期的な発展が期待されます。
ビジネスオーナーへの提言
ウズベキスタンでは、M&Aを契機に市場が大きく変化しています。豊富な天然資源や若年層の人口ボーナスに加え、国際資本の流入が本格化する今、競合が少ない早期の参入が競争優位性を築く鍵となります。現地の法制度や文化を理解した上で、M&Aによる事業拡大を検討する価値があるでしょう。
まとめ:ウズベキスタンのM&A市場は、国際資本の流入を背景に急成長を遂げています。タシュケント証券取引所の出来高拡大はその証左であり、事業参入の好機として注目される段階に来ています。



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